樹は根によって立つ。 されど根は人の目に触れず。

「樹は根によって立つ。
されど根は人の目に触れず。」

ひとつの物語を立ち上げようとする時、僕らは根から始めなくちゃならない。地上に落ちたドングリはまず根を出して養分を吸い取り、初めて芽を出す。その芽が大樹へと成長していくんだ。だから根っこから始めなくちゃならない。
(倉本聰)

人生は短い。
あっという間に終わってしまう。
父と母を見ていてつくづく人生の短さに驚かされる。

エスキモーの老人は、朝起きた時に命が宿り、夜眠る時に命が終わる、と言った。
つまり「私は一日歳だ」と答えた。

果たして僕らはどうだろうか。

明日は必ず訪れると思い込んではいないだろうか。命はいずれ尽きると道理だけで語ってはいないだろうか。老いた自分の顔をリアルに想像出来ているだろうか。

僕はブランディング講義の中で常に五つの問いを投げかけてきた。

・この世に生まれてきた理由
・今日まで生きてきた理由
・今、生きている理由
・この先を生きていく理由
・そして、死んでゆく理由

この五つを問うと「深いですね〜」とまるで他人事のように返してくる者がいる。
そう、結局は他人事なのだ。自分は永遠に生きると思い込んでいる。
この五つの問いに真摯に向き合い、答えを探ろうとする者だけが「今を生きる」事ができると信じている。

ブランディングは手先のやり方だけでは望む結果は出ない。断言する。
それぞれの魂が自分の気がつかないところで望んでいる生き方、目的地、才能、命の使い方に目と耳と心を向き合わずして、成り立つわけが無い。例え成り立ったと豪語しても、その城は瞬きする間に崩れ落ちる。

魂が望む姿と五つの問いの答えは「過去」つまり、「根」にある。その人が今生きている根っこだ。
その根っこを活かせば誰でも輝けるのだ。

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