(1) CIの基盤作り

いよいよCI構築に入りましょう。

但し、これから説明するステップ1「CI基盤(基礎)作り」を外してすぐにPRツールを作成してもCI効果は全く得られません。むしろ時間とコストの浪費になります。CI戦略を成功させ自社ブランドとして確立(商品・店舗・企業・人)させるためには、この基盤作りをしっかり進めてください。

1. 社内でプロジェクトチームを発足し、全社員でCIを学ぶ

・CIとは何か(全社員対象)の勉強会開催・導入の目的とは(全社員対象)の勉強会開催・開発プロセスをチーム全員が認知する (主要部課長・役員)(参加者は協力会社もエンロールすると効果は大きい)

2. 自社の現状を調査、分析、整理をする

・社風や従業員が抱く自社イメージ・既存ツールのラインナップ及び提出と評価・過去に行ったリニューアルの経緯と内容の確認
・ツール使用者の声(社員調査)
・価格と使用頻度・他社ツールとの比較検討
・社歴や業態の変化(ブランドストーリー)
・自社の強みや社会に対する考え方、会社の歴史や業界内の変化、既に持っているコーポレートアイデンティティへの理解、企業文化や従業員が持つ自社のイメージや価値観、一般社会や市場が自社に対してどのようなイメージを持っているかなど、自社の現状を自社内(チーム)で調査・分析する

3. CIのコンセプトを設計する

MI:マインド・アイデンティティ 理念の統一 企業理念開発
BI :ビヘイビア・アイデンティティ 行動の統一 行動指針開発
VI :ビジュアル・アイデンティティ   視覚の統一 デザイン開発

4. CSRの統一CSR(Corporate Social Responsibility)

CSRとは、人権やコンプライアンスの遵守、環境問題への配慮、地域社会との共存・貢献といった企業が果たすべき社会的責任を指しています。CSRへの取り組みは、企業価値や企業ブランドイメージを向上させるメリットがあります。企業の地域社会への貢献をCSR活動報告(社会貢献活動レポート)で一般公開することは、企業の社会的存在の価値を証明し、企業ブランドのイメージを向上させると同時に、企業が持つ強みをアピールすることにもつながり、競合他社との差別化、競争優位性の確立にも期待できるのです。

上記1〜4が第1ステップになります。
このステップを飛ばして第2ステップ(デザイン開発)に進むことも可能ですが、私たちはこのステップの完成度如何によって結果(効果)が大きく変動する事をこれまでの経験で熟知しています。

思い出してください。
CIは、理念から成り立ち、その理念を行動で表し、且つその理念を視聴覚ツールで内外に伝える戦略です。理念無きCI、理念抜きのVIは有り得ないのです。



(2) デザイン開発

ステップ1が完成したら、いよいよステップ2「デザイン開発」に着手します。
但し順番があります。1のベーシックデザイン開発→2の「アプリケーションデザイン開発」です。今すぐにアプリケーションデザイン開発に着手したい気持ちは分かりますが、そもそも1無き2はないのですからしっかり進めてください。

1. ベーシックデザイン開発

* ネーミング(社名やブランド名 : 競合企業・競合ブランドと明確に差別化するための名称)
* 企業理念のコピー化(ビジョン・ミッション・バリュー)
* シンボルマーク(視覚的コミュニケーションの基本。マーク、シンボル、ロゴタイプ)* 正式社名ロゴ(正式和文社名と正式英文社名のロゴタイポ)
* 指定書体(広告やマニュアルなどで使用する書体の規定)
* ブランドカラー(企業を象徴するカラー)
* ブランドステートメント(企業の理念や思想の文言やコピー)
* サブグラフィック  エレメント(コーポレート・シンボルを補完する図形)
* トレードキャラクター(企業イメージを更にサポートするキャラクターデザイン)
* ロゴガイドライン(使用規定など)(CIマニュアルブックとは異なります)

2. アプリケーションデザイン開発

* 製品(製品デザイン・ネーミング・ロゴデザイン)
* 広告・広報(会社案内・プレスリリース・商品カタログ・名刺・社外文書)
* パッケージ(製品を保護するパッケージ)
* サイン(パネル・広告看板・標識・案内表示)
* 環境(オフィス・工場など施設の内外観のイメージ)
* 輸送用機器(営業車両・輸送車両など)
* ウェブサイト&SNS(コーポレートサイト、ECサイト、ブランドサイト、リクルートサイト、FB)
* ユニフォーム(服・帽子・腕章・名札・ワッペンなど)

3. 数量やコストの確認と調整

アプリケーションデザイン開発2伴う外注コストを見積もり、その額を基準とした数量を決めます。注意) コストを削減するため印刷ではなく社内プリンター、コピーでまかなおうとするのはお勧めできません。紙質、紙の厚さ、光沢の有無、色の再現性、画像の解像度等の品質の出来が自社の品位や価値、ブランドにストレートに直結するからです。



(3) 広報展開

さあCIが完成しました。いよいよCIツールを効果的に使うステップに入ります

1. PDCA(#2)ができる人的・組織的・制度的な基盤づくり

IR担当、マスコミ・報道担当、プロモーション担当、コンプライアンス・危機管理担当など、企業の規模や必要な領域別に担当を配置しましょう。担当を明確にする事で、ABC分析を可能にする高い専門性とトライ&エラー&改善が可能になります。

2. ステークホルダーとの良好な関係構築

・維持・発展のための活動消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関との関係性(パイプ)を構築し、その関係性を維持させ発展させるための活動です。

【マスコミ・報道対応】

記者会見、ニュースリリースなどでマスコミへ積極的に情報提供します。また取材対応(大手プレス配信サービスPR TIMES・@PRESS・ValuePress活用)も進めます。

【広報活動】

・企業や商品の㏚イベントの企画や運営や一般的な広報活動
・オウンドメディア(#3)発信
・メディアミックス(電波・新聞)活動・地域や社会貢献活動、環境保護活動、寄付活動・ステークホルダーへの利益還元活動・社内広報、社外広報(商品広報
・企業広報)活動
・会社案内、広報誌、社史、等の編集、出版、プロモーションビデオ等の制作
・周年事業、記念パーティ、社屋見学会の推進

【IR】(店頭公開企業)

・株主、投資家、アナリスト向け広報活動・株主総会運営

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